設定方法
アライドテレシスのスイッチでポートトランキング(IEEE 802.3ad リンクアグリゲーション)を使用する場合は、以下のような設定を行えばよい。
AlliedWare Plus搭載機種(AT-xシリーズ)の場合
特権EXECモードからconfigure terminal でグローバルコンフィグモードに移行後
interface port1.0.21-port1.0.24
static-channel-group 1
exit
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旧機種の場合
create switch trunk=uplink1
add switch trunk=uplink1 port=21-24
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上の例では、スタティックチャンネルグループ番号を“1”(AT-xシリーズの場合)、またはトランクグループ名を「uplink1」(旧機種の場合)に設定し、ポート21〜24をトランキングポートに割り当てている。
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解説
ポートトランキングを設定する場合は、AT-xシリーズの場合、ポートを指定した上でスタティックチャンネルグループ番号を付与する。
旧機種の場合は、トランクグループ名を設定した上で、トランクグループにポートを追加する。トランクグループは機種により2個〜6個まで作成できる。
トランクグループ名は自由に設定できるが、例外的に「LACP」で始まる名前は使用できない。
トランキング設定されたポート間でのパケットの割り振りは、通常、送信元MACアドレスと宛先MACアドレスの両方をかけ合わせた演算結果を元に行われる。機種によりこの設定を変更することができるものの、割り振りにIPアドレスや送受信どちらかのMACが使用できるようになるだけなので、負荷分散のためには設定を変更しない方がよい。
なおL3スイッチでルーティングを行った場合は、送信元MACアドレスが使用できなくなるので、宛先MACアドレスのみが使用される。
トランクグループを作成したら、add switch trunkコマンドにより、トランクグループにポートを追加する。
1つのトランクグループに設定できるポート数は機種により異なり、4ポートまたは8ポートまで設定できる。
トランクポート数は、2進数で切りの良い数(2,4など)にした方が、スイッチ内部でのポート割り振りの処理を軽くすることができる。
なおトランクポートは必ずしも連続していなくてよい。
アライドテレシスのスイッチでポートトランキングを設定する上での最大の問題点は、「トランク設定をしたポートは、VLANなどの設定がロックされてしまう」点である。
すなわち、一度add switch trunk設定を設定してしまうと、そのポートに対してadd
vlanコマンド等を実行することができなくなってしまう。
トランクポートにVLANを追加したい場合は、一度トランク設定を解除した上で、VLANの設定を変更し、その後もう一度トランク設定をやり直す必要がある。
さらに、トランク設定を解除するためには、ループの防止のため、一度LANケーブルを取り外す必要まである。
この制限により、運用中にトランクポートにVLANを追加することが不可能となるため、VLAN追加のためにネットワークの停止が必要になってしまう。
トランクポートはセンタースイッチとの接続に、タグVLANで使用されることが多く、VLANを追加したい場合に非常に不便であるので、改善を望みたいところである。