アライドテレシスでは、1つのインターフェース(VLAN)に複数のIPアドレスを設定することをマルチホーミングと呼んでいる。
他社では同様の設定を、セカンダリIPアドレス、IPエイリアスと呼ぶ場合がありますので、注意が必要である。
なお、このページでは扱わないが、インターネットへの接続経路を多重化することもマルチホーミング、またはマルチホームと呼ぶことがある。 誤解の無いようにしていただきたい。
マルチホーミングを使うと、1つの物理的ネットワークを複数のネットワークに分割することができる。
例えば、ARシリーズのルータで、VLAN10のインタフェースに対して、192.168.10.0/255.255.255.0 と 192.168.11.0/255.255.255.0
の2つのネットワークを割り当てる場合の設定は以下のようになる。
まず通常通り、
add ip int=vlan10 ip=192.168.10..254 mask=255.255.255.0 (ルータのIPアドレスが192.168.10.254の場合)
とした後、さらに
add ip int=vlan10-1 ip=192.168.11.254.74.254 mask=255.255.255.0 (ルータのIPアドレスが192.168.11.254の場合)
と設定する。
このように、VLAN番号の後にハイフンと数値を入れて指定することにより、マルチホーミングが使用できるようになる。
この場合、VLAN10のインタフェースは 192.168.10.254と192.168.11.254の2つのアドレスを持つことになる。
ハイフンの後の数値は「論理インターフェース番号」と呼ばれ、0〜15までの数値が指定できる。
但し、デフォルト値が0であるため、マルチホーミングとして2個目以降のIPアドレスを設定する場合は、0以外の値を指定する。
上記設定をした場合、VLAN10上に接続されたPCのうち、192.168.10.**のアドレスを持つものは、192.168.10.254をゲートウェイアドレスに設定する。
また、192.168.11.**のアドレスを持つものは、192.168.11.254をゲートウェイアドレスに設定する。
なお、サブネットマスク値は、いずれも255.255.255.0となる。
なお、192.168.10.** と 192.168.11.** は物理的には一つのLAN上にあるが、この間のトラフィックはルータが中継することとなる。
接続イメージは下図の通り。
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