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トップネットワーク用語−スパニングツリープロトコルとは

スパニングツリープロトコル(STP)とは

スパニングツリープロトコル(STP)とは、L2スイッチで冗長経路の設定を可能とするプロトコルである。
L2スイッチにおいてネットワーク上に複数の経路を設定すると、ループ状の経路ができてしまい、そのままではブロードキャストストームによるネットワーク停止を引き起こしてしまう。

スパニングツリープロトコルを使用すると、スイッチ同士がメッセージを交換し合い、ループが発生しないように自動的にポートを遮断するように動作するようになる。これにより構成されるツリー状の論理経路が、スパニングツリーという名前の由来となっている。

障害が発生して一部の経路が不通になった場合、スイッチ同士が再度メッセージを交換し、遮断されていたポートを開放するなどにより、自動的に新しい経路に切り替えるように動作する。これによりL2レベルでのネットワークの耐障害性を高めることができる。

RSTPとMSTP

STPはプロトコルの規約上、障害発生時に経路を切り替えるために最大50秒もの時間がかかってしまう。
これでは障害発生時に停止時間が長くなってしまうために、これを改善すべくRSTP(Rapid Spanning Tree Protocol)が規定された。
RSTPを使用すると、経路切り替えに必要な時間が1秒程度に短縮できるため、障害発生時の停止時間を大幅に短縮できるようになる。そのため一般的にはSTPよりRSTPが使用される。

MSTP(Multiple Spanning Tree Protocol)とは、複数のVLANを「MSTインスタンス」と呼ばれる単位にまとめ、MSTインスタンスごとにスパニングツリーを管理する方法である。
STPはVLAN毎に動作するため、L2スイッチに多数のVLANを作成すると、その分スイッチやネットワークの負荷が増加してしまう。多数のVLANを設定したL2スイッチでは、通信がない状態でもポートのLinkランプが激しく点滅することからも、負荷の増大を実感することができる。
MSTPを使用すると、複数のVLANがインスタンスにまとめられるため、多数のVLANを設定した場合でも、ネットワークの負荷の増大を抑えられる。さらに、VLANのインスタンスへの割り振りを適切に設定することにより、負荷分散を実現することができる。
なおMSTPを設定すると自動的にRSTPも有効になるので、切り替え時間も高速化される。



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STPの設定方法

STPでは、スイッチ同士が自動的にメッセージを交換し合ってポートを遮断するので、STPを起動さえすれば、特別に設定しなくても動作を開始することができる。
具体的には、ACTIVATE RSTPコマンドでラピッドスパニングツリープロトコルを起動し、ENABLE RSTPコマンドでラピッドスパニングツリープロトコルを有効にするだけでよい。

しかし自動設定ではルートブリッジも自動選択されてしまうので、センタースイッチではなく、末端のとんでもないスイッチがルートブリッジになってしまう危険性がある。
また、ポートプライオリティが適切に設定されていないと、正常時の負荷分散ができず、特定のスイッチにトラフィックが集中してしまう場合がある。逆にトラフィックが出鱈目に分散されてしまう危険性もある。

さらにパラメータを自動設定させた場合、異常発生時や復旧時に、正常に切り替わらない、切替が何度も繰り返されるなど、動作が不安定になってしまう危険性がある。

このような不安定な動作を防ぎ、希望通りの動作をさせるためには、ネットワーク全体でブリッジプライオリティーとポートプライオリティーのパラメータを適切に設定する必要がある。

当サイトでは、スパニングツリーを使用した冗長構成ネットワークの設計、設定ファイルの添削、設定についての調査・調整、設定方法の指導など、有償にて対応させて頂きます。詳細はこちらのページをご覧下さい。



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