複数のL3スイッチ、ルータをグループ化し、共通の仮想アドレスを持たせることによってネットワークの冗長化を実現する仕組みである。Virtual
Router Redundancy Protocolの略。
なお、CISCO独自の方式として、HSRP(Hot Standby Routing Protocol)と呼ばれる方式がある。HSRPはVRRPと異なるプロトコルを使用しているため、互換性はないが、考え方や設定方法はほとんど同じである。
VRRPを用いたネットワークの構成は下図の通りである。
VRRPを用いたネットワークでは、上の図のように、スイッチA、スイッチBに対してセグメント毎に別のIPアドレスを付与した上で、共通のIPアドレスとなるバーチャルIPアドレスを設定することになる。
この場合、2台のスイッチをまとめてバーチャルルーター(VR = Virtual Router)と呼び、2台のスイッチはバーチャルIPアドレスの他、VRID(VRRPを識別するための番号)、バーチャルMACアドレスを共有することにより、互いに連携して動作するようになる。
なおバーチャルルーターはスイッチ毎ではなく、VRRPを使用するセグメント毎に設定を行う必要がある。
なお、VRRPを設定した場合、クライアントPCのゲートウェイアドレス、上位ネットワーク機器のLAN側ルーティング先アドレスには、バーチャルIPアドレスを設定する。
VRRPを使用する各スイッチには、優先度の設定を行う必要がある。優先度は数値の大きい方が高優先である。優先度の設定を行わなかった場合、両方のスイッチにデフォルト値である同一の優先度100が設定されてしまい、意図しない動作を行うことになるので注意が必要である。
VRRPが動作を始めると、VRRPを使用する各スイッチ間でメッセージの交換が行われ、もっとも高い優先度を持つルータがバーチャルIPアドレスとバーチャルMACアドレスを名乗って、「マスタールータ」としての動作を始めるようになる。また、バックアップルータに向けて定期的に自らの健在を示すメッセージ(VRRP
Advertisementパケット)を送信するようになる。
マスタールータにならなかったL3スイッチは、「バックアップルーター」となり、ルータとしての動作は行わずに、VRRP
Advertisementパケットの監視を行うようになる。パケットが途絶えるとマスタールータに障害が発生したものと判断し、バックアップルータは自動的にマスタールータに昇格する。
具体的な設定方法は
こちら
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